2019年5月22日付で公布された「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法
等の一部を改正する法律等」において、健康保険の被扶養者認定要件に新たに「日本国内に住所を有
する者」であることが追加され2020年4月1日より施行されることになりました。
被扶養者認定要件の変更内容
1.2020年4月より被扶養者の認定要件に「国内居住要件」(日本国内に住所を有する者であること)
が追加されました。
※「住所」については、住民票があるかどうかで判断し、住民票が日本国内にある者は原則、
国内居住要件を満たすものとされます。
2.国内居住要件の例外として、日本国内に住所がない方でも、留学生や海外赴任に同行する家族な
ど、これまで日本で生活していて、渡航目的に照らし、今後日本で生活する蓋然性が高いと認め
られる場合は、日本に生活の基礎があると認められる者として、例外的に被扶養者認定要件を満
たすこととされます。
【国内居住要件の例外として被扶養者と認められる者】
(1)外国において留学をする学生 |
(2)外国に赴任する被保険者に同行する者 |
(3)観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 |
(4)被保険者が海外に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者であって、(2)と 同等と認められる者 |
(5)(1)から(4)までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活 の基礎があると認められる者 |
※日本に住所を有していても、医療滞在ビザで来日して国内に居住する者や観光・保養を目的
とするロングステイビザで来日した外国人の方は被扶養者として認められません。
3.国内居住要件の例外(日本国内に住所がない)に該当する場合は、通常の被扶養者認定に必要な
証明書類に加えて、次の書類の添付が必要となります。
国内居住要件の例外として認められる者 | 4月以降新たな扶養認定に必要な添付書類 |
①.外国において留学をする学生 | 査証、学生証、在学証明書、入学証明書の写し |
②.外国に赴任する被保険者に同行する者 | 証明書不要(事業主で確認されていると判断) |
③.観光、保養又はボランティア活動その他就 労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 |
査証、ボランティア派遣機関の証明、ボランティア 参加同意書等の写し |
④.被保険者が海外に赴任している間に当該被 保険者との身分関係が生じた者であって、 ②と同等と認められる者 |
出生や婚姻等を証明する書類等の写し(外国語で作 成されたものは翻訳者の署名がされた日本語の翻訳 文が必要です) |
⑤.①から④までに掲げる者のほか、渡航目的 その他の事情を考慮して日本国内に生活の 基礎があると認められる者 |
個別判断となりますので、健保組合までお問い合わ せ下さい。 |
お手続きが必要となる方
施行日において日本国内に住所を有しない被扶養者は、この改正により被扶養者の要件を満たさな
くなるため、2020年4月1日をもって被扶養者から削除していただくことが必要です。被扶養者異
動(削除)届に健康保険証を添えて事業所労務担当課まで提出して下さい。
ご留意事項
1.施行日以降の被扶養者認定にあたっては、住民票の住所確認が重視されることから「被扶養者異
動(追加)届」および「住所変更(訂正)届」の様式を変更しました。
2.住民票が日本国内にあっても、海外で就労しており日本でほとんど生活していない等、明らかに
日本での居住実態がないことが判明した場合は、保険者において例外的に国内居住要件を満たさ
ない者と判断して差し支えないこととされています。